「恋の大穴」〜アロハ・フロム・ハワイ


昨年のクリスマス・イヴの直前にYさんに連絡をとると、
クリスマスはエルヴィスの歌とともに過ごされたという、
お元気そうなお返事をいただいた。

Yさんの穏やかな物腰と上品な言葉遣いを思い出す。
いつもお世話になっているYUKIMIさんやOさんと一緒に
Yさんとお会いした時のことがよみがえってきた。

YUKIMIさんは、1976年にヴェガス公演を観に行き、
何と最終日にエルヴィスと握手をした方だ。
そのYUKIMIさんが、
「春になったらYさんに連絡をするね・・・会えるといいね〜。
Yさんはハワイ公演でエルヴィスが『恋の大穴』を歌った時、
エルヴィスにハンカチを渡し、エルヴィスはそのハンカチで汗を拭いたんだよ!
その時の様子がビデオに映っているんだから。スゴイでしょ!!」
と話してくださった。

早速「アロハ・フロム・ハワイ」のビデオを観て確認したら、
確かにエルヴィスはわざわざひざまずいて、
二人の日本人女性に手をさしのべている。
向かって右側の人がYさんらしい。

そのYさんに会えるなんて夢のような話。

その日は清々しい五月の風が薫り、最良の一日となる。
初めてお会いするYさんは、笑顔がとても素敵な方。
私達を歓迎してくださり、すぐエルヴィスからもらったスカーフや
汗を拭いたハンカチを見せてくださった。

ちょうど30年前の、レースのついた白いハンカチ。
エルヴィスの顔にぬられたファンデーションがクッキリ付いていた。
「・・・会いたかった。歌声を生で聴きたかった。」
そういつも想ってきた憧れのエルヴィス。
そのハンカチを手にとってジッと見ていたら、
エルヴィスがそばにいるような気がした。
「叶わぬ夢が、今ここで叶ったんだ・・・」
その瞬間、私の意識はまわりの現実を忘れていた。
しばらくそのハンカチを見つめたまま、
あふれる想いを言葉にすることができなかった。

Yさんはその時の模様を昨日のことのようにお話してくださった。
「一緒にツアーに同行した方が前の方に行こうとおっしゃったんです。
もう無我夢中でした。
ステージのところまで駆け寄ったらエルヴィスが私達を見たのです。
そうしたらこちらの方に歩み寄ってくるではありませんか!
もう心臓がドキドキして張り裂けそうでした。」

その時の映像を皆さんで観た。
Yさんは高いステージの上に一生懸命ハンカチを差し出し、
それを手にとるエルヴィス。
エルヴィスはそのハンカチを間違えて別の女性に渡してしまったので、
Yさんはすぐそれを取り返したそうだ。
Yさんと一緒に前に行った女性が渡した水玉のスカーフをエルヴィスは首にかけ、
「これは何?」というようなジェスチャーをする。
遠くから見ると、
そのスカーフは日本ではおなじみの豆絞りの手ぬぐいに見える。
その「手ぬぐい」をかけたまま「恋の大穴」を歌うエルヴィス。
お風呂あがりのエルヴィスが、いい気分で歌を歌っているかのような印象を受けた。

4人でエルヴィス談義に花が咲き、あっという間に時は過ぎていく。
YさんとYUKIMIさんの温かいお心遣いに心から感謝した。
私達を見送る時、優しい笑顔で手を振ってくださったYさん。
素晴らしい一日を、本当にありがとう!

<04・1・16>

※下記のSSAMSONさんのHPを開くと、
エルヴィスが68年「カムバック・スペシャル」の時に歌った
ブルージーな「トラブル」のイントロが映像と共に流れます。
「go Elvis 」 をクリックすると、73年のハワイ公演で歌った
「恋の大穴」が1曲まるごと映像つきで流れます。
その中にYさんが映っています。
この映像は期間限定かもしれません。
「Music」というページでは、何とエルヴィスの歌が歌詞つきで31曲も聴けます。
SSAMSONさんの愛情のこもったHP(海外発信です)を
もしよろしかったらご覧になってみてください。

http://ssamson.com.ne.kr/index.html